[見捨て奉らば] 残し申しあげて死んでしまったら。
少納言の乳母とぞ人言ふめるは、この子の後見なるべし。
例えば、冒頭部分も 【古典教材】 日もいと長きにつれづれなれば夕暮れのいたうかすみたるに紛れてかの小柴垣のもとに立ち出で給ふ 【大島本】 人なくてつれづれなれば夕暮のいたう霞みたるに紛れてかの小柴垣のほどに立ち出でたまふ というカンジです。
たいそうかわいらしく、だんだんなってきたのに。
[いはけなく] あどけなく。
」 と言って立って行く。
清げなる大人二人ばかり、さては童女ぞ出で入り遊ぶ。
そこで源氏は若紫を垣間見て、「恋焦がれるあの方(藤壺) の代わりにしたいものだ」 と思い、その後彼女が藤壺の姪である事を知ります。
あの人のかわりに 明け暮れの慰めにみたいものだ。
「まあ、幼いことよ。
手つき痩せ痩せにて、いたうひき隠しためり。
女も、並々ならずかたはらいたしと思ふに、御消息も絶えてなし。