さっそく、ぼっちゃんは、オオカミシェフの自信作を食べてみますが……、「まずい」の一言しか言いません。
ところが…当日は雨。
作者について 作者は 小手鞠るいさん。
あとは、優秀な親を持つ子供の悩みや反発にも、共感できるんじゃないでしょうか? 特に思春期の中学生諸君、「自分がこの家の子供だったら・・・」と想像しながら読むと、感想文を書きやすいと思いますよ。
しかも日本人があまり知らない内容も含まれているいます! 個人的には、原爆投下を否定する意見に賛成しつつ 肯定する人の気持ちも無視できないもので・・・ 広島にある慰霊碑に「安らかに眠って下さい 過ちは繰返しませぬから」と刻まれていることについて、意味を誤解されているシーンにも驚きます。
肯定派、否定派、それぞれのメンバーは、日系アメリカ人のメイ(主人公)をはじめ、アイルランド系、中国系、ユダヤ系、アフリカ系と、そのルーツはさまざまだ。
おそらくこう思えてしまう理由は、ひとつには、表現がオーバーであったり、修飾語が過多であったりすることでしょう。
「プロローグ」から「関連年表」までの二〇四ページは小手鞠先生による原爆の学習記録であり、小説風に書かれた原爆投下の是非をめぐるレポートです。
ナオミの演説中の原爆否定派の気持ちも、ただ 「わたしたちは少し焦った」 とだけ書いて、もっとハードボイルドにしてくれたほうが、わたしの好みでした。
このアメリカ人女性は平和運動家で、日本への原爆投下に深い関心を抱いています。
アメリカでは軍隊は職業であり、国への奉仕である、と考えられています。
『ある晴れた夏の朝』は、そんな小手鞠先生による原爆入門です。
「炎の来歴」(新潮社) 太平洋戦争後からベトナム戦争の頃にかけての 日本の労働者階級の青年と 平和を希求するユダヤ系アメリカ人女性との 手紙を通した交わりが描かれていて 当時の雰囲気を感じられます。
「日常パート」なしで登場人物を「立てる」ためには、ステレオタイプに頼るのが一番です。
しかし、落とした側から描いた日本語の作品は本書が初ではないでしょうか。
ある晴れた夏の朝は戦争=核兵器の使用についての議論、 サイド・トラックはADHDへの理解が含まれたお話なのでその点も考慮が必要です。