伸びと張りのある豊かな声は素晴らしい。
救急車が到着し、救助隊が慌ただしく出入りし、目の前をシノーポリ夫人が駆け込んでゆく。
屈んだままの格好で、右手で指揮捧を振りつづけたのです。
かといってこの音が簡単にでるようなソプラノ・リリコの歌手が歌うとほかの部分の魅力が損なわれてしまいます。
続けてアイーダはアムネリスの足元に身を屈し「何ということを言おうとしたのでしょう!お慈悲を!」と跪く。
そして王女の力を見せつけるべく、凱旋の場に赴く。
このオペラの鍵となるのはこの3人の 心理的なやり取りです。
第3幕 Atto terzo テーベ。
古代 エジプトを舞台に、エジプトの若き将軍ラダメスとエジプト軍に捕えられ奴隷となっ たエチオピアの王女アイーダとの悲恋を、華やかにドラマティックに描く。
気性は激しく情熱的。
この幕の第 1場の第 8曲「シェーナと二重唱」と次の第 3幕の第 1場でのアイーダとアモナズロの二重唱は、この作品の最大の聴きどころである。
アムネリスはエチオピアの敗戦に同情するふりをしてアイーダからラダメスへの思いを聞き出そうとする。