愛していた夫を、息子を、不意に思い出すような時間は欲しくない。
だいきらい。
それは天賦の才能に加え記憶を失ってなお煮えたぎる怒りによって、 包帯も取れない重傷の身で血反吐を吐く程に自分を鍛えて叩き上げたからである。
あれが鬼、師匠の敵、無一郎や皆の敵! 屋敷に逃げ帰る?いや駄目だ、師匠の他に弟弟子達がいる。
夜は鬼が出る。
」 恐る恐る、顔を上げた。
体力も呼吸も、私の方が続くという自信はある。
最初こそこんな子どもで大丈夫なのかと思った彼だが、無一郎の実力と優しさを知り、考えを改めた。
刀を構えたまま、息を大きく吸い込んで刀を握る腕に力を込める。
それらの延長線として、孤独を誤魔化すために子供の世話を自らかって出た。
無一郎の記憶の中で描かれる有一郎は、物の見方がネガティブであまね様たちの訪問に対しても追い返してしまうやりとりがありました。
戦って、戦って、いつしか柱に数えられる程に強くなり。